各人各様に楽しめるのがお好み焼き

「和食」とは日本の食材、調味料を使って作った料理のことです。
ですが、日本の料理であっても「和食」と定義付けするものが難しい料理はたくさんあります。
オムライスにカレー、ラーメンなど、どこまでを「和食」と呼ぶのかは人それぞれです。
鉄板で焼く料理は格式ばらない和食の一つです。
大阪の街にたくさんあるお好み焼き屋さんも和食のレストランの一つと言えるかもしれません。
大阪人に根強く愛されるお好み焼きです。
人気のお好み焼き屋の前には行例ができ、各家庭では独自に開発されたこだわりの作り方まで受け継がれているほど、生活に深く入り込んでいます。
大阪人はそもそも安くておいしい庶民的な食べ物にこだわる人たち、たこ焼き、ねぎ焼き、モダン焼きと街のあちこちには手軽でおいしい焼き物の看板がたくさんあります。
これらの食べ物に共通するのは、主な材料が小麦粉であるということです。
日本では古くから小麦粉を食べていたようですが、庶民が口にするようになったのは意外と遅く江戸時代になってから、小麦を粉にする技術が定着して作られるようになったうどんが最初でした。
小麦粉を溶いて焼くという調理法は茶道の茶菓子として始まったようで、今でいうクレープのようなものだったとか、これが庶民の間に広がったのがお好み焼きのルーツのようです。
時代は下がり、大阪では戦前から屋台のお好み焼きがなぜか「洋食焼き」と人気になりました。
当時1枚1銭で売られていたので「一銭洋食」と呼ばれていたようです。
当時、肉が貴重品だったため、キャベツなどの野菜やイカなどの海産物を混ぜて焼くようになりました。
この好みの材料をのせて焼くところから「お好み焼き」という呼び名に変わっていったのです。
そしてこのいろいろな材料を使う進化を遂げたことが、より大衆に愛される要因となりました。
お好み焼きをお店の人が焼いてくれるのを「店焼き」お客が自分で焼くのを「客焼き」と呼びます。
関西は「店焼き」が、関東は「客焼き」で主流となっています。
関西も昔は「客焼き」が主流だったのですが、この40年ほどで「店焼き」の店がほとんどになりました。
各家庭でこだわりの味をもつほどの大阪人が店の人に焼いてもらうというのは不思議な気がしますが、その理由としてよく言われているのが「店の人に焼いてもらって食べたほうが早くて時間の節約になる」という合理的精神からだとか、すこし昔のお好み焼きにはコミュニケーションツールとしての一面がありました。
味を楽しむというよりは、一緒に食べに行った仲間とワイワイと作ること自体を楽しむといったような、でも、だんだん料理として発展してくるようになると、やはりプロが焼いたものの方がおいしいです。
また、数多くの競合店がひしめく大阪で特徴を出そうとすると、店側でしか作れないアイディアメニューが増えてきたのも理由だと思われます。
最近はフランス料理やイタリア料理の世界からお好み焼きのお店を出す若いシェフも増えてきました。
様々な材料でインターナショナルな料理になっていく、いろいろな作り方食べ方ができる、それこそが各人各様が楽しめる「お好み焼き」のいいところなのでしょう。

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